ヘラクレスは、さまざまな業種・経営規模の企業に資金調達の途を開くとともに、投資者に対し多様な企業への投資機会を提供することを目的に、株式会社大阪証券取引所が運営する株式市場です。上場会社数は年々拡大し171社(2007年末現在)となり、上場株式の時価総額は1兆6,862億円となっています。
本稿では、ヘラクレスの概要を紹介いたします。
(1)上場会社数の推移――市場開設以来増加傾向に――
ヘラクレスに新規に上場する会社数は、市況などにより年ごとにばらつきが見られますが、年末の上場会社数は市場開設以来、着実に増加し続けています。
【図表1】ヘラクレスの上場会社数推移(社)
|
年
|
年間新規
上場会社数
|
年末上場
会社数
|
|
2000
|
40
|
40
|
|
2001
|
43
|
82
|
|
2002
|
24
|
101
|
|
2003
|
7
|
103
|
|
2004
|
16
|
110
|
|
2005
|
22
|
125
|
|
2006
|
37
|
156
|
|
2007
|
25
|
173
|
上場会社を本社所在地別に見ると、首都圏が70%、関西圏が20%、その他地方が10%となっています。
(2)上場会社の特徴――多様な企業が顔を揃えるマーケット――
最近の新規上場会社の概要を示したものが、【図表2〜4】です。
多岐にわたる業種の企業が上場しており、売上高も3億円台から200億円超の企業まで幅広い企業に上場のチャンスがあることがお分かりいただけると思います。
設立経過年数も、2年強の会社から60年近い老舗企業までさまざまです。
【図表2】業種別会社数(社)
|
|
2006年
|
2007年
|
|
情報・通信
|
11
|
6
|
|
サービス
|
9
|
6
|
|
小売
|
6
|
5
|
|
不動産
|
3
|
1
|
|
卸売
|
2
|
2
|
|
証券・商品先物
|
2
|
2
|
|
化学
|
1
|
1
|
|
医薬品
|
0
|
1
|
|
保険業
|
1
|
0
|
|
建設
|
1
|
0
|
|
非鉄金属
|
0
|
1
|
|
その他金融
|
1
|
0
|
【図表3】2006年新規上場会社の経営規模等
|
|
最大
|
最小
|
平均
|
|
売上高(申請直前期,百万円)
|
20,193
|
360
|
3,000
|
|
経常利益(申請直前期,百万円)
|
1,364
|
▲169
|
250
|
|
上場時公募額(百万円)
|
8,500
|
168
|
900
|
|
設立経過年数(上場時)
|
45年8ヶ月
|
4年10ヶ月
|
12年8ヶ月
|
【図表4】2007年新規上場会社の経営規模等
|
|
最大
|
最小
|
平均
|
|
売上高(申請直前期,百万円)
|
21,454
|
448
|
4,600
|
|
経常利益(申請直前期,百万円)
|
3,827
|
27
|
470
|
|
上場時公募額(百万円)
|
7,500
|
0
|
830
|
|
設立経過年数(上場時)
|
57年9ヶ月
|
2年1ヶ月
|
18年7ヶ月
|
(3) 売買代金の推移――市況に左右されるも高い流動性を確保――
@ 個人投資者が主役
ヘラクレスは、時価総額に比して年間売買代金額が大きく、流動性が高い点も特徴です。
2006年の売買代金は、前年比37.5%増の13兆3,346億円でした。投資者層の拡大に加え、ネットトレードの普及にともない個人投資者が活発な売買をしていることなどが、売買代金増加の主因と考えられます(ちなみにヘラクレス売買代金の約8割は個人投資者によるものです)。2007年は株式市況の低迷から前年と比べ売買代金が減少(6兆1,898億円)していますが、なお高い流動性を確保しているといえるでしょう。
【図表5】年別の売買代金推移(億円)
|
年
|
売買代金
|
|
2000
|
3,074
|
|
2001
|
7,208
|
|
2002
|
9,073
|
|
2003
|
10,703
|
|
2004
|
37,154
|
|
2005
|
96,980
|
|
2006
|
133,347
|
|
2007
|
61,898
|
A 優れたシステムで大量の売買を円滑に処理
大証では、こうした売買の増大に対応するため、2006年に売買システムと情報システムをリプレースしました。これにより、大量の売買を迅速に執行できるようになりました。投資者の発注後、売買を執行するまでの速度は、国内の証券取引所で最速です。
投資者に配信する売買気配情報(板情報)も、売り8本・買い8本の合計16本の複数気配情報を配信しています。16本の気配情報を提供しているのは、株式を扱う金融商品取引所では大証のみです。
当該システムの導入により大証は、経済産業省等6省庁により構成される情報化月間推進会議から「平成18年度情報化促進貢献情報処理システム」として表彰されました。
(4)上場審査――効率的な審査を実施――
ヘラクレスの上場審査は、一定の形式基準(数値基準)を満たした企業に対し、上場適格性を判断する基準(実質審査基準)による審査を実施します。
@形式審査基準
形式審査基準は、各企業の経営規模・財務基盤が各様であることを勘案したものとなっています。
同基準には、「スタンダード基準」(ある程度の企業規模を有する企業を対象とする基準)と「グロース基準」(アーリーステージにあるものの潜在的な成長性が期待される企業を対象とする基準)に分けられます。現在、上場会社の約6割がスタンダード基準、約4割がグロース基準により上場しています。
A 実質審査の内容
実質審査では、「企業経営の健全性」(事業を公正かつ忠実に遂行しているか)、「企業内容等の開示の適正性」(開示を適正に行うことができる状況にあるか)、「公益又は投資者保護の観点から必要と認められる事項」(反社会的勢力との関係を有していないか、公序良俗に反する事業を手がけていないか等)について判断をします。
実質審査では、書面審査・質問書の授受、上場申請会社・事務幹事金融商品取引業者(いわゆる主幹事証券会社)・監査法人へのヒアリング、上場申請会社の経営者に対する面談等を行います。
これらの審査の後、外部有識者等により組織される上場委員会と自主規制委員会での決議を経て、上場承認に至ります。
上場申請から上場承認までは、平均2ヶ月間です。ヘラクレスでは迅速かつ効率的な審査を実現するために、主幹事証券会社や監査法人へのヒアリングを特に重視しています。
なお、昨今、証券市場の信頼性を損なうような上場会社の動向が見受けられることから、大証では「望ましい企業行動実現のためのルール整備」「問題企業・行動への対応」等を柱とする上場制度改正を実施しました。
(5)上場を目指す企業に対する支援策――未上場会社の上場を積極的に支援――
上場を目指す企業に対しては、個別訪問やセミナー、小規模勉強会「株式公開道場」の定期的な開催により、各種の上場支援策を講じています。
さらにヘラクレスWebサイト(月間60万PV)や「ヘラクレス−クラブ・メールマガジン」配信により、上場準備に役立つ情報の提供に努めています。
ヘラクレスWebサイト
(6)上場会社へのIR支援――投資者と上場会社のリレーション強化に注力――
大証では上場会社のIRを積極的に支援することで、投資者と上場会社のリレーション強化に取り組んでいます。
具体的には、ヘラクレスWebサイト設置やメールマガジン配信による投資者への情報提供のほか、投資家向けIR説明会の開催を強力にサポートしています。
投資家向けIR説明会は、会場手配・集客・司会進行等を大証が実費相当額で手がけるものです。このうち機関投資家・アナリスト向け説明会(インベスター・コンファレンス)は、年間100回以上開催し、全上場会社の3分の1にあたる70社が利用しています。個人投資家向け説明会は年間約10回開催し、およそ20社が利用しています。

投資家向け説明会の模様
加えて上場会社向けの適時開示に関する勉強会等のイベントを通じ、上場会社の適時開示・IRの充実促進に努めています。
ヘラクレスに関するご相談・お問い合わせは、大証市場企画本部上場サポートグループ(大阪:06−4706−0856、03−3665−4153)までお願いいたします。
|
【お問い合わせ先】
株式会社大阪証券取引所
市場企画本部上場サポートグループ
E‐mail : hercules-ic@ose.or.jp
〒 541-0041 大阪市中央区北浜1丁目8番16号
TEL:06−4706−0856
|