近年、銀行などから「コミットメント・ライン」に基づいて借金をする企業が増えている。コミットメント・ラインとは、企業と銀行の間であらかじめ融資枠・期間を取り決め、その範囲内であれば、銀行が融資の実行を約束する契約のことを指す。企業側から見ると、必要に応じて機動的に資金を調達できる確約があるという安心感がメリットといえる。 ところで、コミットメント・ラインによる借入申込書は「印紙税の課税対象にはならない」と考えている企業は少なくない。しかし、ここ最近、税務調査で税務署から「印紙を貼るように」と指導されるケースが急増しているという。それを裏付ける形で、国税庁はこのほど「コミットメントライン契約に関して作成する文書に対する印紙税の取扱い」をHPで明らかにし、大きな話題を呼んでいる。 国税庁によると、コミットメントラインによる借入申込書は、印紙税法に定める「借入れの申込金額を記載金額とする第1号の3文書(消費貸借に関する契約書)」に該当するという。具体的には、借入額が「5千万円を超え1億円以下」の場合には6万円、「1億円を超え5億円以下」の場合には10万円、「5億円を超え10億円以下」の場合には20万円もの印紙税が課されることになる(印紙税額はこちらを参照)。 ただし、この申込書をファックスやEメールのみでやりとりしている場合には、印紙税の課税対象とはならないという。もっとも、銀行側がEメールでの借入れ申し込みに対応することは考えにくく、また、企業側でも文書化しておきたいニーズがある。コミットメントラインはただでさえ手数料が高いところ、さらに印紙税が上乗せされることとなる。銀行からコミットメントラインによる借入れを行なっている企業にとっては、思わぬ出費といえそうだ。
(国税庁:「コミットメントライン契約に関して作成する文書に対する印紙税の取扱い」はこちら)