上場会社の経営者が持つべきディシプリンとは?
「証券市場」という「公道」を「ディシプリン(規範)」を持たずに「上場会社」を経営(運転)している経営者(ドライバー)が少なくないのでは?そんな問題意識のもと、東京証券取引所からある報告書が公表された。タイトルは「新興企業経営者が市場を利用する上での倫理観等に関するアンケート調査」。マザーズ上場会社及びマザーズから市場変更を行った会社の経営者187名にアンケートを送付し、回答が寄せられた120名の回答結果をとりまとめたもの。 興味深いのは、「上場後に経営者(財産保全会社を含む)が売出人となる売出しや市場での売却を行いましたか」との質問に対する回答。「行った」が57人、「行っていない」が63人で、半数近くが行ったとしている。理由として1位に上がっているのは「流動性の改善、拡大」。次いで、経営者自身の投資回収(創業者利益の確保等)、経営者自身の資金需要(借入金の返済、高額品の購入等)が続く。そのための手法としてもっとも問題があるのが、経営者がこっそりと売るケース。すなわち、市場で売却するケースだ。ディスクローズが必要となる「売出し」よりも、投資家への裏切り度は高いといえる。ところが、これ(市場での売却以外に売出しも含んだ設問となっている)について、「後ろめたさを感じる」と回答した経営者はわずかに6人。特に問題はないと回答した経営者は52人と、半数近くが問題性を認識していない様子が浮き彫りとなった。 その他、世襲問題や経営者のマスコミ露出問題等、マザーズ上場会社の経営者の、いわば生の声が詰まったものとなっている。こうした結果をもとに、東証新規上場サポート部では、「アンケート結果から見る新興企業経営者が証券市場を利用する上で気を付けたい点」をとりまとめ、アンケート結果にあわせて公表している。上場を目指す経営者であれば、かならず目を通しておきたいものだ。