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作成書類関係

フローチャート Ⅰの部 Ⅱの部
有価証券通知書 大量保有報告書 計算書類
EDINET 決算短信 有価証券届出書
有価証券報告書 事業報告 株主資本等変動計算書
注記表 連結計算書類

フローチャート

伝票や証憑の作成・受渡・承認・保管、物品の受渡等の業務手順をフローチャート形式で示したもの。東証スタンダード市場や地方証券取引所の本則市場への上場の際に提出が必要とされるⅡの部において必要となります。フローチャートを作成しておくと、業務が均質化するとともに業務引継が容易になります。また、監査法人に対して内部統制の整備状況を説明する資料としても役立ちます。

Ⅰの部

「上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)」の略。金融商品取引法で規定されている有価証券報告書と異なり、各取引所がそれぞれ定めている有価証券上場規程・有価証券上場規程施行規則が作成根拠となり、証券取引所に提出することとなります。

例えば、東証スタンダード市場への上場を申請する際には、新規上場申請者の属する企業集団およびその経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項等を記載した「新規上場申請のための有価証券報告書」の提出が必要とされており、ここで「新規上場申請のための有価証券報告書」はⅠの部およびⅡの部から成ると規定されています(有価証券上場規程施行規則204条1項)。

一方、東証グロース市場への上場を申請する際に提出する「新規上場申請のための有価証券報告書」はⅠの部のみと規定されています(有価証券上場規程施行規則219条1項、同229条の3)。すなわち、東証グロース市場への上場申請に際してはⅡの部の提出は不要となるわけです。その代わり、東証グロース市場への上場申請にあたっては「各種説明資料」の提出が必要になります。

また、「新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)」は、「企業内容等の開示に関する内閣府令」(以下、開示府令)第8条第2項第1号に規定する「第2号の4様式」(「第二部」から「第四部」まで)に準じて作成するものとし、「第2号の4様式」の「第二部」に準じて掲げたものの次に、開示府令第15条第1号イに規定する「第3号様式」の「第二部」に掲げる事項を、当該様式に準じて記載します。

このように、Ⅰの部の具体的記載は開示府令で定められている様式を組み合わせて作成することから、同じく開示府令を作成根拠とする有価証券届出書有価証券報告書によく似た書類となります。

Ⅱの部

「上場申請のための有価証券報告書(Ⅱの部)」の略。東証グロース市場では不要とされています。もっとも、東証グロース市場においては「各種説明資料」という書類が求められています。新興企業向けの市場ではⅡの部の提出は不要としつつも、実際には名称が異なる代替資料が求められていることになります。

有価証券通知書

金融商品取引法第4条第5項の規定による通知書をいい、一定の要件(こちらを参照)を満たす場合、財務局等への届け出が必要になります。有価証券届出書と異なり、投資家の投資判断に資するために提出するものではなく、行政上の情報収集を目的とした書類です。そのため、提出された有価証券通知書をEDINETで閲覧することができません(EDINETを通じて提出することはできます)。

大量保有報告書

株券の大量保有者(発行済株式の5%超を保有する者)は、大量保有者となった日から5日(日曜日その他政令で定める休日の日数は算入しません)以内に、大量保有報告書を財務局等に提出する必要があります。大量保有報告書には、株券等保有割合に関する事項、取得資金に関する事項、保有の目的その他の内閣府令で定める事項が記載されます。要件に該当する株主はIPO後迅速に提出しなければなりません。

計算書類

貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表の4つを計算書類と言い、会社法上すべての株式会社で作成が必要となります(会社法435条2項、会社計算規則59条1項)。なお、計算書類にあわせて計算書類の附属明細書も作成しなければなりません(会社法435条2項)。計算書類の保存期間は作成したときから10年間とされています(会社法435条4項)。

■計算書類の監査
監査役設置会社では、計算書類及び計算書類の附属明細書について、監査役の監査を受ける必要があります(会社法436条1項)。さらに、会計監査人設置会社では計算書類とその附属明細書について会計監査人の監査を受ける必要があります(会社法436条2項)。

■計算書類の取締役会での承認
取締役会設置会社では、計算書類及び計算書類の附属明細書について取締役会での承認が必要となります(会社法436条3項)。

■計算書類の株主総会での承認
計算書類は定時株主総会の承認を受ける必要があります(会社法438条2項)。会計監査人設置会社(監査役会設置会社を前提)の場合、下記の一定の要件(承認特則に関する要件)を満たすと、計算書類が報告事項となります(会社計算規則135条)。
一 会計監査人の監査報告が無限定適正意見であること
二 監査役または監査役会の監査報告の内容として会計監査人の監査の方法または結果を相当でないと認める意見がないこと
三 監査役会の監査報告と監査役の監査報告の内容が異なるとして、監査役会の監査報告に付記された事項に、会計監査人の監査の方法または結果を相当でないと認める意見がないこと。
四 承認特則規定に規定する計算関係書類が会社計算規則132条3項の規定により監査を受けたものとみなされたものでないこと
五 取締役会を設置していること。

■IPO準備会社と計算書類
非上場会社では、貸借対照表・損益計算書をいわゆる税務会計に基づき作成するとともに、附属明細書を作成しないケースがよく見受けられます。IPO準備会社では、自社の状況を適切に把握するとともに、IPO準備に際してあるべき決算書を作成し直す手間・コストを回避するためにも、企業会計に基づく決算書と附属明細書をしっかりと作成するよう心掛ける必要があります。

EDINET

EDINETとは、Electronic Disclosure for Investors' NETworkの略で、金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム(開示用電子情報処理組織)のことです。有価証券報告書有価証券届出書はEDINTを通じて提出し、閲覧することとなります。また、EDINETにはXBRLも導入され、有価証券報告書を用いた財務分析も容易になりました。

決算短信

取引所の規則で開示が要請される資料。 東証の場合、「当該上場会社の事業年度若しくは中間会計期間又は連結会計年度若しくは中間連結会計期間に係る決算の内容が定まった場合」は、直ちにその内容を開示しなければならないと規定しています(上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則2条1項3号)。各証券取引所は迅速な開示を要求しており、事業年度終了後45日以内に多くの会社が開示を終えています。決算短信の平均開示日数は年々短縮しています。

有価証券届出書

有価証券の募集または売出しは、内閣総理大臣(財務局)に届出をしているものでなければできないのが原則です(金融商品取引法4条1項。ただし、同項但書で「発行価額または売出価額の総額が1億円未満の有価証券の募集または売出し」等の例外が定められています)。この内閣総理大臣への届出書を有価証券届出書と言います。通常は企業内容等の開示に関する内閣府令8条に定める第2号様式で作成されます(新規上場時には第2号の4様式が用いられます)。また、その記載にあたっては企業内容等開示ガイドラインに準拠するとともに、財務諸表の表示方法は財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(財規)に従うことになります(連結財務諸表は連結財規) 。

有価証券報告書

有価証券届出書を提出した会社(上場会社はすべて該当します)は、事業年度経過後3か月以内に有価証券報告書を内閣総理大臣(財務局)に提出する必要があります(金融商品取引法24条1項:提出に関しては例外もあります)。

有価証券報告書の様式は企業内容等の開示に関する内閣府令に定められており、通常は第三号様式によることになります。また、その記載にあたっては企業内容等開示ガイドラインに準拠するとともに、財務諸表の表示方法は財規に従うことになります(連結財務諸表は連結財規)。

事業報告

株式会社は事業年度ごとに事業報告を作成し、定時株主総会で報告する必要があります(会社法435条2項、会社法施行規則118条以下)。また、監査役の監査も受けなければなりません。

事業報告の記載事項は次のとおりです。
・会社の状況に関する重要な事項
・内部統制システムの整備についての決議の概要
・株式会社の支配に関する基本方針の概要等

また、公開会社(株式の譲渡制限を設けていない会社)では、次の事項も記載しなければなりません(会社法施行規則119条)。
・会社の現況に関する事項
・会社役員に関する事項
・会社の株式に関する事項
・会社の新株予約権等に関する事項

さらに、会計監査人設置会社では会計監査人の名称や報酬等の情報も記載しなければなりません(会社法施行規則126条)。

株主資本等変動計算書

株式会社は計算書類の一環として株主資本等変動計算書を作成する必要があります(会社法435条2項、会社計算規則59条)。株主資本等変動計算書は純資産の内訳の期首の金額、期中の変動、期末の金額を明らかにする計算書類です。「等」というのは、株主資本の内訳(資本金、資本剰余金、利益剰余金等)に加えて、評価・換算差額等や新株予約権といった株主資本以外の純資産項目を意味しています(なお、連結株主資本等変動計算書の場合、非支配株主持分についての記載も必要となります)。また、株主資本等変動計算書は金融商品取引法に基づく開示でも作成が必要となります。

注記表

株式会社は計算書類の一環として注記表を作成する必要があります(会社法435条2項、会社計算規則91条1項)。注記表に記載すべき項目は会計監査人の設置の有無等に応じて下表のように異なります(会社計算規則98条2項。○は該当あれば記載が必要)。なお、B/S、P/L、株主資本等変動計算書の特定の項目に関連する注記については、リファレンス等を振ることにより、その関連を明らかにする必要があります(会社計算規則99条)。

 

個別注記表で注記が必要な事項

会計監査人設置会社
会計監査人設置会社以外の株式会社
公開会社
公開会社以外
継続企業の前提に関する注記
不要
不要
重要な会計方針に係る事項に関する注記
会計方針の変更に関する注記
表示方法の変更に関する注記
会計上の見積りの変更に関する注記
不要
不要
誤謬の訂正に関する注記
貸借対照表等に関する注記
不要
損益計算書に関する注記
不要
株主資本等変動計算書に関する注記
税効果会計に関する注記
不要
リースにより使用する固定資産に関する注記
不要
金融商品に関する注記
不要
賃貸等不動産に関する注記
不要
持分法損益等に関する注記
連結計算書類作成会社(会社法444条3項)でなければ不要
不要
不要
関連当事者との取引に関する注記
不要
1株当たり情報に関する注記
不要
重要な後発事象に関する注記
不要
連結配当規制適用会社に関する注記
不要
不要
その他の注記

連結計算書類

会計監査人設置会社は、連結計算書類を作成することができる旨、会社法444条1項に規定されています。ここで、連結計算書類とは、会社計算規則61条に定める次の4つの計算書類をいいます。
一 連結貸借対照表
二 連結損益計算書
三 連結株主資本等変動計算書
四 連結注記表
なお、事業年度の末日において大会社であって、金融商品取引法24条1項の規定により有価証券報告書を作成・開示している会社は、連結計算書類の作成が義務となります(会社法444条3項)。

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